DIORE CLINIC
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「リジュランだけ受けるべきでしょうか、ポテンツァだけでしょうか? それとも両方受けたほうがいいのでしょうか?」
診察室で本当によく聞かれる質問です。結論からいうと、2つの施術は異なる経路で作用するため、併用すると単純な足し算を超える相乗効果が生まれます。 片方は肌に「再生のシグナル」を直接与え、もう片方は「再生が起こる環境」を整える役割を担うからです。
今回は、なぜこの2つの施術が相性がよいのか、どのような方におすすめなのか、そしてどの順番と間隔で受けると効果的なのかを、最新の研究資料とあわせて整理します。
リジュランの主成分は PDRN(ポリヌクレオチド、Polydeoxyribonucleotide) で、サケの精巣から抽出した精製DNA断片です。
PDRNが皮膚内に入ると、線維芽細胞(皮膚のコラーゲンを作る細胞)の アデノシンA2A受容体 に結合し、次の作用を引き起こします(Kim YJ et al., Annals of Dermatology 2016)。
簡単にいうと、「肌よ、再生モードをオンにしろ」 と命じるシグナル分子です。そのため、リジュラン単独でも毛穴、小じわ、肌理、紫外線ダメージの回復に効果があると報告されています。
ポテンツァ(Potenza)は、マイクロニードルと高周波(RF, Radiofrequency)を組み合わせた機器です。微細な針が皮膚表面を通って真皮層まで入り、その先端から高周波エネルギーが放出され、真皮にのみ選択的に熱刺激を与えます。
ポテンツァの特徴は次のとおりです。
ポテンツァはつまり、「皮膚に制御されたダメージを作り、その場で新しいコラーゲンが育つよう誘導する」機器です。
ポテンツァの侵襲チップが真皮層まで作る微細チャネルは、その直後に塗布するPDRNをより深く均一に届ける通路になります。一般的なマイクロニードリング後、薬剤の送達効率が単独塗布に比べて大きく増加することは、さまざまな臨床研究で確認されています。
実際に2025年に発表されたある無作為化比較試験では、マイクロニードリング単独よりも マイクロニードリング + PDRN 3%併用群が、しわスコアと色素改善で有意に大きな効果 を示しました。
コラーゲン新生は通常、「ダメージ → 炎症 → 増殖 → リモデリング」の4段階で進みます。
つまり、ポテンツァが「工事開始」を知らせるなら、リジュランは「建築資材と人手」を供給するようなものです。2つの段階が同期することで、肌の再生速度と質が向上します。
PDRNの抗炎症・抗酸化作用は、施術後の回復期に生じる紅斑・熱感・かさぶた形成を減らすことが知られています。PDRNを塗布した微小損傷皮膚では、対照群に比べて 再上皮化(re-epithelialization)が速く、血管再生とコラーゲン構造がより優れていた という動物実験結果が報告されています。患者さんの立場では、「ポテンツァの翌日に会社へ行きやすくなる」という体感につながります。

ポテンツァは 熱エネルギー基盤の刺激 により線維芽細胞の熱ショックタンパク質(HSP)経路を活性化し、リジュランは A2A受容体介在シグナル伝達 とサーチュイン(SIRT1)活性によって作用します(Khan A et al., Chin J Plast Reconstr Surg 2022)。異なる分子経路が同時にオンになることで、単独施術では到達しにくい深さと強さのコラーゲンリモデリングが可能になります。
| 比較項目 | リジュラン | ポテンツァ | 併用時 |
|---|---|---|---|
| 作用方式 | 生物学的シグナル分子(PDRN) | 物理的エネルギー刺激(RF) | シグナル + 環境を同時に提供 |
| 主なターゲット | 真皮線維芽細胞 | 真皮コラーゲン、毛穴壁 | 真皮全域 |
| 強み | 再生・抗炎症・肌理改善 | 毛穴・瘢痕・ハリ | 肌理+毛穴+ハリを同時改善 |
| ダウンタイム | 非常に短い | 1〜3日紅斑 | PDRNで短縮可能 |
| 効果発現 | 段階的(2〜4週) | 段階的(2〜4週) | 体感速度の向上 |
特に次のような方には、2つの施術の併用がよい選択になります。
一方で、妊娠中、自己免疫疾患、強い活動性ニキビ、ケロイド体質 の場合は、施術適応について別途相談が必要です。
臨床現場で一般的に用いられる組み合わせ方法は次のとおりです。(個々の肌状態により調整します。)
オプションA:同日に同時施術
→ 利点: 1回の来院で完結、微細チャネルの活用効率が最大
→ 考慮点: 施術時間が長く、その日は紅斑がやや強く出ることがある
オプションB:1〜2週間間隔で分ける
→ 利点: ダウンタイムを分散でき、施術後の肌回復を確認して次の段階へ進める

→ 考慮点: 来院回数が増える
推奨周期: 3〜4週間間隔で3〜5回のシリーズ後、維持管理は2〜3か月に1回のペースで行うことが多いです。
Q1. ポテンツァとリジュランを同日に受けると、負担が大きすぎませんか?
A. 施術自体の負担は単独施術と大きく変わりません。麻酔クリームで痛みを十分に調整し、施術後に鎮静ケアを受ければ、ほとんどの方は問題なく耐えられます。ただし、普段からダウンタイムに敏感な方にはオプションB(分けて施術)をおすすめします。
Q2. リジュランを先に受けてからポテンツァを受けるのはどうですか?
A. 可能です。ただし、微細チャネルを利用した吸収効率の面では、「ポテンツァ → リジュラン」の順番が一般的により合理的です。患者さんのコンディション、ダウンタイムの都合、主なターゲット(毛穴か再生か)によって順番は調整できます。
Q3. 2つの施術を一緒に受けると、副作用のリスクも2倍になりますか?
A. そのようなことはありません。2つの施術は作用メカニズムが異なり、むしろPDRNの抗炎症作用がポテンツァ後の回復を助けることが多いです。一般的に報告される副作用は、一時的な紅斑、腫れ、微小出血程度で、数日以内に自然に回復します。
Q4. 効果はどのくらい持続しますか?
A. シリーズ施術(3〜5回)完了後の効果は、平均6〜12か月程度持続すると報告されています。ただし老化は続くため、2〜3か月に1回程度の維持管理を併用すると、より安定した結果が期待できます。個人の肌状態や生活習慣によって差があります。
Q5. 1つだけで十分な方もいますか?
A. はい、十分に可能です。毛穴・瘢痕が主な悩みならポテンツァ単独、肌再生・肌理改善が主な悩みならリジュラン単独でも良い結果が得られます。ただし、「複数の悩みを同時に、1回で効率よく改善したい」という場合は、組み合わせが合理的な選択になります。
Q6. ボトックスやフィラー、ウルセラとも一緒に受けられますか?
A. 可能です。一般的には同日に受けるより、各施術の回復期間を考慮して1〜2週間間隔をあけて分けることをおすすめします。施術の優先順位は肌状態に応じて専門医と相談のうえ決めるとよいでしょう。
リジュランとポテンツァは、それぞれ単独でも優れた施術ですが、異なる作用経路のおかげで、併用すると単純な足し算以上の結果 を生み出します。ポテンツァが作る真皮の微細チャネルと制御されたダメージは、リジュランの再生シグナルが最も効率的に働く環境となり、リジュランの抗炎症作用はポテンツァ施術後の回復を素早く助けます。
ただし、どの施術にも言えることですが、すべての患者さんにとって同じ正解の組み合わせはありません。 ご自身の肌状態、ライフスタイル、ダウンタイムの許容度によっては、単独施術のほうが適していることもあり、別の組み合わせのほうが効率的な場合もあります。ディオレクリニックでは肌診断のうえで個別に最適なプロトコルをご提案していますので、ご自身に最適な組み合わせが気になる方は、ぜひ気軽にご相談ください。