DIORE CLINIC
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📅 最終更新:2026年3月
毛穴が広がって見え、顔がすぐにベタつくのにシワはないため「ボトックスは自分には必要ない」と思っていたなら、もう一度考えてみる価値のある施術があります。同じボツリヌストキシンでも、注射する深さと部位が違うと全く異なる結果になります。筋肉ではなく皮膚そのものに作用し、表情はそのままに皮脂・毛穴・小じわだけを整えるスキンボトックスの原理を整理します。
💡 要点まとめ
・スキンボトックスは希釈したボツリヌストキシンを真皮層に微細多点注射し、皮脂・毛穴・小じわ・肌質を改善する施術です。
・筋肉ではなく皮膚そのものに作用するため、表情の変化なしに肌質感を整えることが目的です。
・Shah(2008)の臨床では20人中17人が1か月後に皮脂分泌と毛穴サイズの改善を報告しました。
・効果は3~7日目から現れ、2週目に最大となり、約3~4か月持続します。
・こんな方におすすめ:毛穴が広く顔がよくベタつく方、目元・口元の小じわが気になるが表情が硬くなるのは避けたい方。
スキンボトックス(マイクロボトックス、Microbotox、Skin Botox、Mesobotox、スキンボトックス、水光肉毒、微滴肉毒)は、希釈したボツリヌストキシンA型を顔の皮膚の真皮層に、ごく小さな滴として何度も分けて注射する施術です。一般的なボトックスがシワを作る筋肉の深くまで入るのとは違い、スキンボトックスは皮膚の浅い層にとどまりながら皮脂腺・毛穴周辺組織・微細表情筋の上層にのみ作用します。
そのため結果も異なります。一般的なボトックスは「シワが伸びる」のに対し、スキンボトックスは「肌がなめらかになりベタつきが減る」に近いものです。表情が不自然になるのを心配してボトックスを躊躇していた方が多く訪れる理由でもあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施術種類 | 注射施術(真皮内微細多点注射) |
| 作用原理 | 希釈トキシンが皮脂腺・立毛筋・表在性微細筋に局所作用 |
| 施術時間 | 約15~20分 |
| 麻酔 | 麻酔クリーム(約20~30分塗布) |
| ダウンタイム | ほぼなし — 注射痕・軽い発赤が数時間~1日 |
| 痛み | 約2~3/10(麻酔クリーム使用時) |
| 効果発現 | 3~7日目から、2週目に最大 |
| 効果持続 | 約3~4か月 |
| 推奨回数 | 3~4か月間隔で繰り返し、初期2~3回で満足度が上昇 |
| 適応 | 広い毛穴、過剰な皮脂、小じわ、ざらついた肌質 |
| 非適応 | 妊娠・授乳中の方、神経筋疾患、トキシン過敏反応の既往、施術部位の感染 |
一般的なボトックスが筋肉層に注射されるのと、スキンボトックスが真皮層に浅く多点注射される深さの違いを示す皮膚断面図
同じ薬剤でも注射する深さが変わると、作用する組織が変わります。
ボツリヌストキシンは神経末端でアセチルコリン(神経が組織に命令を伝える伝達物質)の分泌を抑えます。筋肉に注射すると筋肉が弛緩し、真皮に浅く注射すると皮膚内の別の構造が影響を受けます。真皮層にとどまったトキシンは大きく3つの経路で作用します。

皮脂調節、毛穴縮小、小じわ緩和という3つの作用をそれぞれ示すスキンボトックスの機序模式図
スキンボトックスは一つの薬剤で皮脂・毛穴・小じわの3つの軸に同時に作用します。
臨床的根拠としては、Shah(2008, Journal of Drugs in Dermatology)の研究がよく引用されます。真皮内トキシン注射を受けた20人中17人が1か月時点で皮脂分泌の減少を、同じく17人が毛穴サイズの縮小を報告しました。2023年のAesthetic Surgery Journalには、毛穴・皮膚弾力・皮脂調節・瘢痕に対する真皮内マイクロドーズ活用を扱った専門家ラウンドテーブルが掲載され、臨床プロトコルが標準化されつつある流れを示しています。
次のような悩みに当てはまるなら、スキンボトックスが合う選択肢かもしれません。
一方、深く刻まれたシワ、ボリュームが落ちた部位、強いたるみはスキンボトックスでは解決しません。この場合はフィラーやリフティング系の施術が適しています。
洗顔後に麻酔クリームを20~30分塗布し、極細の針で顔全体またはTゾーン・頬など希望する部位に細かく分けて注射します。注射自体は15~20分で終わり、施術直後は微細な赤い点が見られますが、多くは数時間以内に治まります。施術当日の夜からいつものように洗顔でき、翌日からメイクも可能です。
施術後は以下を守ってください。
当院では、スキンボトックスを「顔全体に同じ量」で入れることはしません。皮脂分泌と毛穴の状態は部位ごとに異なるため、鼻や額の中央のように皮脂が多い部位と、頬の外側のように乾燥した部位とで用量を変えて設計します。また目元・口元では注射の深さが少し深くなるだけで表情に影響が出る可能性があるため、この部位は皮膚美容専門の医療スタッフが深さを細かく調整して施術します。
初回は控えめな用量から始め、2週後の反応を確認してから次回の用量を調整する方法を勧めています。トキシンへの反応には個人差が大きいためです。
Q. スキンボトックスとウルセラ・サーマジ・ソフウェーブのうち、どれを先に受けるべきですか?
目的が異なります。ウルセラ・サーマジ・ソフウェーブは熱エネルギーで皮膚の深い層(SMAS、真皮)のコラーゲンを刺激し、弾力と輪郭を引き上げるリフティング系の施術で、スキンボトックスは皮脂腺・立毛筋・表在性筋線維に局所的に作用して毛穴・皮脂・小じわを整える施術です。弾力と輪郭が気になるならリフティングを、毛穴と皮脂のベタつきが気になるならスキンボトックスを先に検討し、両方を組み合わせて設計する場合も多くあります。
Q. 韓国での滞在日程が短いのですが、スキンボトックスと他の施術を同じ日に受けられますか?
スキンボトックスはダウンタイムがほぼないため、他の施術と同日に組み合わせやすい方です。ただし、リジュランやリトオのように皮膚再生・弾力を助けるバイオリジュビネーション系の施術と併用する場合、施術の順序や間隔は医療スタッフの評価によって異なるため、相談時に全体の日程を事前に共有しておくとよいでしょう。
Q. 皮脂・毛穴の改善後に皮膚の再生も一緒に行いたいのですが可能ですか?
スキンボトックスで皮脂と毛穴を整えた後、リジュランのように真皮の再生を助ける施術や、リトオのような生体刺激剤を続けて検討するケースがあります。ただしこれはスキンボトックスの効果を増強するものではなく、全く異なる機序による補完的なアプローチであるため、正確なタイミングと併用の可否については担当医療スタッフにご相談ください。
Q1. スキンボトックスを打つと表情がぎこちなくなりますか?
一般的なボトックスとは異なり、真皮層に浅く少量ずつ注射するため、大きな表情筋にはほとんど影響しません。ただし目元・口元のような浅い部位で深さを誤ると、一時的に表情がぎこちなくなることがあるため、施術者による注射の深さの調整が重要です。
Q2. スキンボトックスの効果は何日ほどで出ますか?
通常3~7日目から肌がなめらかになりベタつきが減るのを感じ、2週目に最大効果に達します。毛穴の改善は皮脂減少が先行して起こるため、2~4週の時点でより明確に感じられます。
Q3. スキンボトックスと水光注射(スキンブースター)、どちらがよいですか?
目的が異なります。スキンボトックスは皮脂分泌を減らし毛穴を引き締めることに強みがあり、水光注射は水分とボリュームを与えてうるおいとツヤを出す施術です。脂性肌・毛穴の悩みならスキンボトックス、乾燥・パサつきの悩みならスキンブースターが優先され、両方を組み合わせて設計する場合も多くあります。
Q4. スキンボトックス後に運動やサウナをしてもよいですか?
施術後24時間はサウナ・岩盤浴・激しい運動を避けるのがよいでしょう。熱と血流の増加が薬剤の拡散に影響を与える可能性があるためです。翌日からは普段どおり過ごしていただいて構いません。
Q5. ニキビがあってもスキンボトックスを受けられますか?
皮脂分泌の減少効果により、脂性肌やニキビ傾向のある方に役立つ可能性があるという研究が報告されています。ただし炎症が強い活動性のニキビがある状態では、まず炎症の治療を行ってから進めるのが安全です。

スキンボトックスは「シワをなくすボトックス」ではなく「肌質感を整えるボトックス」です。毛穴と皮脂が主な悩みで表情の変化を望まない方には合う選択肢ですが、ボリューム減少や深いシワには別のアプローチが必要です。どの施術が合うかは、肌タイプと皮脂の状態を直接確認した上で決めるのが正確です。
併せて読みたい記事:オンダリフティングの原理と効果、フィラー vs コラーゲンブースターの違い。
ℹ️ 本コンテンツは一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診療に代わるものではありません。施術結果は個人の肌状態によって異なる場合があり、正確な診断とご相談は皮膚美容専門の医療スタッフとともに行ってください。
参考文献